日本語の学習者は、みな同じところでつまずきます。不注意だからではありません。英語が静かに嘘をつくからです。文には主語が要ると英語は教えます。「二つ」は何を数えても一語だと教えます。カタカナで書かれた語は見た目どおりの意味だと教えます。
そのどれも日本語に触れた瞬間に生き残りません。英語脳が予想するものと、日本語が実際にすることとの隙間。ほとんどすべての初級者の誤りは、そこに住んでいます。
以下は、学習者のほぼ全員が最初の一年で通る15の間違いです。は と が のコイン投げ、助数詞、冷たくも子どもっぽくも聞こえてしまう敬語の段階、そしてまったく別の意味を持つカタカナ語。それぞれに誤った形、正しい形、そして頭に残るように一行の理由をつけました。
この15を直せば、翻訳している人ではなく、話している人に聞こえるようになります。
🎯 1. が が入るところに は を使う
最も多い日本語の間違いであり、いちばん感覚がつかみにくいものです。どちらの助詞も英語が主語を置く位置に立てるので、学習者は当てずっぽうで選んでしまいます。
- ❌ 誰は来ましたか。
- ✅ — 英語の「Who came?」
理由: は は文が何 について かを示します。すでに共有された古い情報です。が は 新しい 情報を示し、疑問詞は定義からして新しい情報です。すでに前提にしたものについては、そもそも尋ねられません。
Notes
同じ規則の日常版です。私は学生です はあなたを主題として持ち出します。私が学生です は「私がその学生です」となり、候補が並ぶ部屋で自分を指す言い方になります。学習者は後者をしょっちゅう口にして、妙に力の入った響きになります。
🙅 2. 「あなた」を二人称に使う
教科書はそう教えました。母語話者はほとんど使いません。
- ❌ あなたは何をしていますか。
- ✅ — 英語の「What are you doing, Tanaka?」
理由: はよそよそしく、詰め寄るように、あるいは夫婦のあいだでは「あなた」という呼びかけとして響きます。名前に さん を付けるか、肩書きで呼ぶか、いっそ何も付けないのが自然です。
🗣️ 3. どの文も「私は」で始める
英語は主語を要求します。日本語は分かりきった瞬間にそれを落とします。
- ❌ 私は田中です。私は学生です。私は東京に住んでいます。
- ✅
理由: 私は を繰り返すと、自分が誰かについて相手の誤解を正しているように聞こえます。主題は一度だけ立てて、あとはそのまま走らせます。




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🔢 4. 何でも「ひとつ、ふたつ」で数える
日本語は数に 助数詞 を付けてものを数え、その助数詞は数えるものの形で決まります。
理由: ❌ ビールを三つください は通じますが、その瞬間に初心者だと分かります。✅ が、実際に居酒屋で耳にする形です。
近道: 詰まったら、九つまでの一般的なものには つ が使えます。これは規則ではなく松葉杖です。
👵 5. 長音を無視する
英語は母音の長さを意味の違いに使いません。日本語は使いますし、その結果は容赦がありません。
理由: 長音はまるまる一拍分です。日本語は強弱ではなく拍で刻まれるので、一つ縮めれば別の語になります。
📉 6. い形容詞を名詞のように活用させる
- ❌ 高いでした。
- ✅ — 英語の「It was expensive.」
- ✅ — 「It is not expensive.」
理由: い形容詞は自分で活用します。です は末尾に取り付けられた丁寧さにすぎず、時制を運びません。な形容詞は逆で、 が正しい形です。静か が名詞のように振る舞うからです。
🔚 7. 動詞を途中に置く
- ❌ 私は食べます寿司を。
- ✅ — 英語の「I eat sushi.」
理由: 日本語は 主語・目的語・動詞 です。動詞はいつでも最後に来て、時制も丁寧さも否定もその動詞が運びます。つまり日本語の文の意味は、最後の音節まで確定しないことが多いのです。反応する前に、終わりまで聞いてください。




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🎌 8. カタカナ語を信用する
カタカナは英語がそのまま戻ってきたように見えます。そうでないことが、しばしばあります。
理由: これらは 和製英語 です。語が旅をして、そこから別の人生を歩き出しました。
Notes
逆の罠のほうが厄介です。カタカナ語を英語の発音で言ってしまうこと。マクドナルド は五拍で、どの拍もアメリカ英語には聞こえません。日本語の拍で言わないと誰にも届きません。
🙇 9. 丁寧さの段階を間違える
日本語には声が一つしかないわけではありません。いくつもあり、選び間違えると文法の誤り以上に大きく響きます。
- ❌ 上司に向かって:明日休む。 — 普通形は、失礼に届くほどぶっきらぼうに響きます。
- ✅ — 英語の「I will take tomorrow off.」
- ❌ 親しい友人に:明日休ませていただきます — 硬すぎて、何かあったのかと聞かれます。
- ✅
理由: です・ます が安全な中間です。その下が普通体、その上が敬語で、自分の動作には謙譲語、相手の動作には尊敬語を使います。
Important
安全な原則はこうです。相手が先にくだけた話し方をするまで、誰に対しても です・ます を使う。少し丁寧すぎることには代償がありません。初対面の相手にくだけすぎるのは失礼に響き、しかも相手はそれを言ってくれません。
📍 10. に と で を混同する
英語ではどちらも「in」や「at」になります。入れ替えはできません。
- ❌ 図書館に勉強します。
- ✅ — 英語の「I study at the library.」
- ✅ — 「I am at the library.」
理由: で は 動作が起こる場所 を示します。に は存在の動詞と組んで 到達点や静的な位置 を示します。います、あります、行きます、住んでいます がそれです。
🔤 11. は、へ、を を書いてあるとおりに読む
- ❌ はじめまして…わたし は がくせいです、の は を「ha」と読む。
- ✅ — ここの は は wa と読みます。
- ✅ — へ は e と読みます。
理由: この三つの仮名が 助詞 として働くとき、古い綴りを保ったまま別の音になります。は は wa、へ は e、を は o。それ以外の場所では、は は ha、へ は he のままです。
💭 12. 他人の願望を「〜たい」で言う
- ❌ 田中さんは寿司を食べたいです。
- ✅ — 英語の「Tanaka looks like he wants sushi.」
理由: 日本語は、何を 知りうるか にはっきり線を引きます。〜たい は内面の願望を述べる形で、直接触れられるのは自分の内面だけです。他人については 〜たがる を使うか、〜そうです でぼかします。事実ではなく、観察できる根拠を報告しているのです。
❤️ 13. 好き の対象を を で示す
- ❌ 寿司を好きです。
- ✅ — 英語の「I like sushi.」
理由: は動詞ではなく形容詞、「心地よい」に近い語です。だから好きなものは文法上の 主語 になり、が を取ります。嫌い、上手、下手、そして 分かる も同じです。 がその形です。
🙏 14. 日本語が すみません と言う場面で ありがとう と言う
- ❌ 重い扉を押さえてもらったとき:ありがとう。 — 間違いではありませんが、母語話者が最初に手を伸ばす語ではありません。
- ✅ — 「恐れ入ります」に近い、詫びを含んだ礼です。
理由: は詫び と、相手に手間をかけたことを認める種類の礼の両方を覆います。学習者はこれを「ちょっとすみません」の意味でしか使わず、守備範囲の半分を取りこぼします。本当の謝罪には を、贈り物や進んでしてもらった好意には を取っておいてください。
🗣️ 15. 一度も声に出さずに日本語を学ぶ
ほかのすべての間違いを固定してしまう間違いです。
は と が、助数詞、敬語、母音の長さ。どれも知識の問題ではありません。疑問詞には が という規則をそらんじられる人が、実際に何か尋ねられた瞬間に 誰は と口にします。これらは 反射 の問題であり、反射は実時間のなか、ほどよい緊張のもとで、滑った瞬間に直してくれる相手がいてはじめて育ちます。
この記事を読んでもあなたの日本語は直りません。この15の文を、下手なまま、声に出して、返事をしてくれる相手に向かって言うこと。それが直します。




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